December 2011
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ぼくは ほぼ半年のあいだずっと考え続けていた ぼくの生と死と、それからひとりの友人について ぼくは成熟しただけの子どもだ ということはじゅうぶんわかっているし だから この少年の時としての愛が 性もなく正体もわからないなにか透明なものへ向かって 投げだされるのだということも知っている これは単純なカケなぞじゃない それから ぼくが彼を愛したことが問題なのじゃない 彼がぼくを愛さねばならないのだ どうしても 今 彼は死んでいるも同然だ そして彼を生かすために ぼくはぼくのからだが打ちくずれるのなんかなんとも思わない。 人は二度死ぬという まず自己の死 そしてのち 友人に忘れ去られることの死 それなら永遠に ぼくには二度目の死はないのだ(彼は死んでもぼくを忘れまい) そうして ぼくはずっと生きている 彼の目の上に
萩尾望都「トーマの心臓」